コラム

2022-10-01 00:00:00

タンザニアSNS事情

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JNEW最初の出張でタンザニアに来ているのはお伝えした通りですが、当地では政府系農業開発銀行のアドバイザーとして、出張ベースで信用分析や案件組成の能力強化、体制整備等のお手伝いをしております。

今回のように海外で新しい相手と長期の仕事をする際、互いの距離を縮めるのに便利なのがSNS。とりわけFacebookはこれまで仕事をしたどの国でも利用率は日本より高かったし、日本みたいに「私は仕事とプライベートは分けてますから」なんて言う人もまずいないので、私の場合、半ばマーケティングツールとして非常に重宝してきました。

というわけで此度のタンザニアでも、カウンターパート機関との腹を割った議論を通じで仲良くなったスタッフの何人かに聞いてみたのですが、Facebookユーザーが意外に少ないことが判明。出張を終えてしばらく会わないような場合、顔を忘れないようにリンクしておこうと思っていたのに、これは一体どうしたことかと思って辿り着いたのが画像のデータです。(出所:https://gs.statcounter.com)

これは国・地域別でみた各SNSのシェアを表したもので、左側上から下にタンザニア、アフリカ全体、(特にFB利用率が高い印象だった)ミャンマー、右側は全世界、米国、日本の順に並んでいます。これを見るとツイッターが多い日本以外では未だFacebookのシェアが非常に高いことがわかりますが、そんな中でもタンザニアでは各SNSのシェアがわりと拮抗していますね。カウンターパート機関で聞いた話でも、「最近はインスタユーザーのほうが多い」とのこと。

理由をいろいろ想像してみたのですが、考えられるのは以下のようなもの。

  1. 言語の問題:タンザニアはスワヒリ語以外に英語も公用語で、日本人よりは英語が上手ではあるものの、隣国ケニアに対しては英語力のコンプレックスを抱えているような印象。そんな中、言葉より画像をメインに投稿できるインスタが選好されている可能性はあるような気もします。
  2. 政治的発言のリスク:政治的にセンシティブな発言や投稿が忌避されるといった傾向も、ひょっとしたら画像での投稿がより好まれるという流れに影響しているのかも知れません。
  3. スマホが普及した時期の違い:スマホの普及が本格的に進んだ時期にプレゼンスが高かったSNSのほうがより広く使われている可能性もあります。ミャンマーでは今や2.も無視できない状況になってしまっていますが、それ以前はFacebookのほうがより一般的だったことは、この点を裏付けるものかと思います。

というわけで、私自身がインスタをやっていないこともあり、当地でFacebookアカウントを持っていない皆さんとのリンクには、主にLinkedInを使うことにしています。まああんまり人となりがわかるような情報がアップされないのは味気ないのですが、仕方ないですね。

余談ながら上記データで気になったのが、成熟市場の中でも異常に高い日本でのツイッターのシェア。特に日本の場合、匿名アカウントが他国に比べて圧倒的に多いらしいですが、名前を伏せて好き勝手なことを吐き捨てる社会の暗部が炙り出されている感じがするのは私だけでしょうか…。(浦出)
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