コラム

2022-09-01 00:00:00

リモートワーク考

弊社は静岡県下に本社を構えており、基本的に全社員が完全在宅勤務。東京都内、地方都市、海外などメンバーの居住地はバラバラで、社内の連絡や打合せは殆どチャットやビデオ会議ですが、それができるのも各人が自律的に稼働できるから。

一方、ここしばらく耳にしてきた「働き方改革」、「リモートワーク」、「ワーケーション」といった言葉は、どうも薄っぺらで上滑り感が否めません。リモートワークに関しては、コロナ禍で導入したものの元に戻ってしまった大手企業も多く、私がコロナ禍当初に仕えていた上司も在宅勤務にやたら否定的だったのを覚えています。ワーケーションについても、リゾート地などを中心にいちどは期待が高まりましたが、フタを開けてみたら大手企業の揺り戻しでハシゴを外され、整備されたファシリティは結局ギグワーカーの福利厚生施設みたいになりつつあるようにも見えます。

いわゆるリアルワーカーの皆さんはさておき、リモート稼働が全然可能な職種の皆さんが元に戻ってしまった背景には、企業の側に「給与=拘束時間の対価」、「在宅勤務=ベネフィット」という根強い誤解がありそう。ブラックな職場ほど、効率良く仕事を終わらせオフの時間を確保する事を快く思わず、そのくせ非効率なパフォーマンスを垂れ流しがち。そういう会社に限って、生産性を上げたところで追加的な仕事が降ってくるだけで、その対価さえ支払われない悪しき体質があると思います。ソニー創業者の故・井深大氏はかつて「仕事の報酬は仕事」なんて仰いましたが、それとて仕事を楽しめていればこその話。残念ながら「やらされ感」の強い職場ほど、就労時間でコミットメントを測りたがる傾向があるようです。

弊社の仕組みは、それ自体がこんなふうに硬直化した労働慣行に対するアンチテーゼでもあります。もちろん業種や職種にもよりますが、実際に成果を上げて見せることで、こういう形態の組織がより一般的なものになってゆけば... と願っています。(浦出)

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